はじめての登山で山頂まで行けなかった話|でも心が晴れた理由

こんにちは、アウトドア好きのピッピです。
今日は、私が「はじめて登山に挑戦したけれど、山頂までたどり着けなかった日」の話を綴ろうと思います。

…えっ、成功談じゃないの?と思う方もいるかもしれません。
でも、あの体験は私にとって、ただの失敗ではなく、とても大切な時間になりました。

「登山に興味はあるけれど、自分にできるか不安…」という方や、
「失敗したらどうしよう」と踏み出せない方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。


きっかけは自然の中で自分を見つめ直したいという気持ち

私が登山に挑戦しようと思ったのは、少し心が疲れていた時期でした。
仕事の忙しさ、人間関係のもやもや…。
そんな日々に風穴を開けたくて、「自然に触れて、自分をリセットしたい」と思ったんです。

都会の喧騒から離れて、静かな山を登る——
そう聞くだけで、なんだか心が浄化されそうな気がしました。

そして私は、比較的初心者向けとされる「富士山」に登ることを決意。
登山歴のある友人からアドバイスをもらい、最低限の装備を揃えて、晴れた秋の日にひとりで出発しました。


順調なスタート。でも、想像以上に登山は登山だった

登山口に着いたときはワクワクしていました。
道は整備されているし、空気も澄んでいて気持ちがいい。
ゆっくりと歩きながら、鳥の声や木々の香りを楽しみ、時折写真も撮りながら進みました。

しかし、1時間を過ぎたあたりから、私の体に異変が。

足が重い。息が上がる。喉が渇く。
普段あまり運動をしていなかった私は、明らかに体力不足でした。
最初は「まあ大丈夫、大袈裟に考えすぎかも」と思っていたのですが、だんだんと膝が笑い始め、背中のリュックも重く感じてきました。

それでも「せっかく来たんだから」「山頂を見ないと意味がない」と自分を鼓舞して歩き続けました。


分岐点で立ち止まった。「引き返す」選択

登り始めて2時間半。
山頂まであと数時間ほどという地点で、登山道が岩場に変わり、勾配もきつくなってきました。
そのとき、ふと後ろを振り返ると、下の方に広がる木々と町の景色が目に入りました。

汗を拭きながら、私はそこで立ち止まりました。

「このまま登れば、確かに山頂には行けるかもしれない。でも帰りはどうする?下山の方が膝に負担がかかるって言ってたよな…」

周囲に人はおらず、静かな空間に鳥の声だけが響いていました。
その中で私は、深く深呼吸をし、心の中で自問しました。

——このまま無理して登ることが、本当に成功なんだろうか?

そして私は、登頂を諦めることを決めました。


山頂には届かなかった。でも、心が晴れた

引き返す道は、思っていた以上に楽ではありませんでした。
登るときに気づかなかった段差や、滑りやすい道。
でも、どこか清々しい気持ちで歩いていました。

理由は明確です。
「無理せずに、自分のタイミングで止まることを自分に許した」からです。

登山に限らず、私たちは日々いろんな場面で「頑張らなきゃ」「ここで諦めたら負けだ」と思いがちです。
でも、本当にそうでしょうか?

疲れたら休む、無理なら引き返す。
その判断こそが、自分の体や心を大事にしている証なのかもしれません。

登山口に戻ったとき、私は確かに山頂を見ていませんでしたが、
代わりに自分自身の中にある小さな達成感と安心感を感じていました。


経験して気づいた、初心者が登山前に知っておくべきこと

この体験から学んだことを、簡単にまとめておきます。

無理せず引き返す勇気も持つ

登山は命を預ける行為でもあります。
「引き返す」ことは恥ずかしいことでも敗北でもなく、むしろ正しい選択です。

装備と水分は絶対にケチらない

私は水を多めに持っていたおかげで助かりましたが、もし足りなかったら体力的にも精神的にも厳しかったと思います。

ひとり登山は慎重に

ソロ登山は自由ですが、道に迷ったり、転倒した場合のリスクが大きいです。初心者はできれば経験者と一緒に登るか、人気の登山道を選びましょう。

山頂だけがゴールじゃない

「登頂=成功」という考えに縛られず、自分なりの目的とペースで楽しむことが大切です。


まとめ│登らなくても、得られるものはたくさんある

山頂を目指して登った私の登山初体験は、結局途中で引き返すことになりました。
でも、それを「失敗」とは思っていません。

むしろ、山を歩く中で五感が研ぎ澄まされ、自分の体調と向き合い、自然の美しさを感じられたあの数時間は、
日常の喧騒では得られない心のデトックスでした。

これからも私は、登山を続けたいと思っています。
今度こそ山頂に立てるように、体力をつけて、準備をして、少しずつステップアップしていきます。

もしこの記事を読んで「自分も登ってみようかな」と思った方がいれば、どうか無理しない登山から始めてください。
その一歩一歩が、きっとあなたの心を軽くしてくれるはずです。

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